センター長挨拶

2020年12月1日に、光量子プロセス研究開発センターを、システム情報科学研究院附属施設として設置いたしました。


 光量子プロセス研究開発センターの設置目的は、世界最大規模の高出力光・量子照射システムと世界最先端の物理計測システム及びAIなどの解析設備とノウハウを有する九州大学の強みを大幅に強化・拡充することです。民間企業や国の府省、他の高等研究機関など学内外と連携してスマート製造システムの社会実装を加速し、Society5.0実現に貢献してまいります。


 本センターには3つの特長があります。第一は、世界最大規模の高出力光・量子照射システムと世界最先端の物理計測システムを有していることです。第二は、九大が日本のAI・データサイエンス教育研究拠点の一つであることです。第三は、学内外と連携してスマート製造システムの社会実装を目指す点です。世界的に見ても顕著なこれら3つの特長により、本センターはSociety5.0実現に大きな貢献が出来ると期待しています。


 システム情報科学研究院は、2019年7月より内閣府の第二期戦略的イノベーション創造プログラムSIPの「光量子を活用したSociety5.0実現化技術」に参画しており、東京大学の小林洋平教授が代表を務める「CPS型レーザー加工機システムの研究開発」における「CPS 化戦略の波及加速パイロット拠点の形成」の実施代表機関として、主に半導体デバイス製造に資するスマートレーザーシステムの社会実装を目指した研究課題に取り組んでおります。この流れを受けて、現在、本センターは、社会実装出口戦略テーマとして2023年度の量産ライン投入を目指した「エキシマレーザーを活用した半導体デバイス製造装置」の研究開発に注力しております。


 特に、SIPプログラムの共同研究機関であるギガフォトン株式会社様とは、2011年9月のギガフォトンNext GLP共同研究部門の設立以来、10年もの長きにわたり先進レーザー加工技術に関わる研究の共同開発を行ってまいりました。SIP研究課題の推進に当たっては、この共同研究部門の活動で得た成果や知見が大いに活かされています。さらに2021年4月には、タマリ工業様に共同研究部門を設置頂きました。これも、今後の発展基盤の一つとなると期待されます。


 また、産学連携の新しい形として、綺羅コンソーシアムを2019年12月に設立いたしました。このコンソーシアムは、本センターの社会実装部門として役割を担っております。綺羅コンソーシアムには、ギガフォトン様、タマリ工業様、など多くの企業に参画頂いております。これらの企業様には、本センターで活用する装置などを提供頂いており、研究成果の社会実装を目指してコンソーシアム型産学連携を推進しつつあります。


 今後、本センターの活動の拡充と強化を行うことで、光量子プロセスを活用した様々なスマート製造装置の社会実装を持続的に実現し、Society5.0の実現に資する産学官共創のプラットフォームとしての活動を展開していく予定です。皆様におかれましても御支援・御鞭撻を頂きますよう、何卒、よろしくお願い申し上げます。


光・量子プロセス研究開発センター

白谷 正治